杉浦 剛の記事

感情を文字に、言葉に表情を。

三浦春馬 みうらは まで入力したら変換候補に出てきた。すごいね。

まず初めに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

衝撃とか悲しいとか、そういうのは無いんだけど、少し思うことがあって。

違う地域で生まれ、別々の道を歩み、他の社会で生きてきた。

 

それでも同じ日本で、私生活自体は大体同じもの。ただし何をするにも相当な気を遣う。

彼はたまたま、役者っていう芸能人の一人。自分含め、大体の男からしたは羨ましい存在。

 

 

そう、彼はみんなに見られ知られる職業。

見てくれた人が何か思い、感じて欲しい。どんな役であれ、求められている役にならなければならない。いや、それ以上を発揮して評価をされなければいけない。

そんな追い込みがあるからできた演技。得られた共感。それが役になった自分。

 

 

それでもふっと考えに浸る時がある。

緊張の世界から現実の時が流れる部屋に戻って来た時、スクラップの山のように待っている疲れは火薬で、緊張が導火線、まるで本物の花火。打ち上げでもドラゴンでも煙玉でも選ぶのは自分。自由に選んでいい。

 

自分なら、パラシュートで飛んで着地するまで、ちゃっかりフライトダイビング体験したいかな?

 

 

 

話は逸れた。

 

 

30歳。

自分の存在は自分の思い描いていた以上になってる。でもこの先を見ようとすると霞む。なんで?

期待か裏切りか、自分の努力次第で改善できる。はず。

 

その時、既に年齢は火種になっていた。

 

どうする?今が正念場。でも今以上評価されている未来が見えてこない。10年後には今の自分には無いもっとすごい何かを得たい。その為にはさらに努力をしなければならない。

 

それでも自分は今のペースで順調らしい。それに追い越されないように、頑張ろう。

まず冷静に考えてみて、やっぱり私生活自体は恵まれて送れてる。のに何だろう、このモヤモヤした感じ。

 

将来の理想とか、今後の目標とか、漠然と考えてるうちに、完成ってもしかしたら無いんじゃないか、と気付いてしまう。

疑心暗鬼になって、あれで良かったんだろうか?そういう思考になっていった。あれで思っていた以上の評価を得た。でも本当にそうなのか?

部屋ではそんな事ばかり考えるようになった。30歳になって、本当にやりたい事がわからないでいる自分。やり続けたら安泰、でもしんどい。良い言葉は次への励みになるが、悪い言葉は思っているよりずっと、胸が痛い。

なんでこうなってんの?それでも目を通すだけで気分を害するような言葉の数々が、まさに自分に向けて浴びせられている。そう、自分は見られている人間。これからもこんなのが続くのか?嫌だ。どれだけ評価されてると言われても、それが本当かどうか信じられなくなって、インタビューで褒められてもどうやって表情を作れば良いのかわからなくなってる。でもネット上では顔も声も性別年齢もわからない人間からのしんどい文字が増えていく。それがどことなく本音に見えてしまって、どんどん心をえぐる。

仲間はみんな、気にするなとか、アンチができるのは売れてる証拠だとか、そううまい事言われても第三者の言葉の方が本音のようにばかり見えてしまって。辛い。

嫌な言葉って不思議だ。音として聞くより文字の方がより強く伝わるから。耳で直接聞いてないし、そんなもの信じるなって言われてもさ。目からの言葉の情報を自分で読み込み、取り入れ、それが恐怖になっていた。

 

 

そうこうしてるうち、もうすぐ30歳かー。

 

 

そして時を迎えた。目が覚め、

「30歳か」

そう呟いた。

 

なんだろう?気持ちは穏やかだ。余計な事を考えてないから?自分は表現者として生きてみた。でももう行ったり来たりする自分の限界を見た気がした。ネットで散々言われても全然気にしない、むしろ嬉しい事だと笑ってる人、すげぇ羨ましい。自分よりよっぽど暴言吐かれててても、それをどこかでうまく解消してバランスを保ってる。

見習おう。聞こえて来ないんだから、見なきゃ良いんだ。

この先、今より努力して、それでも散々言われてしまうのは嫌だ。いっそずっと演者のままでいられたら良いのに。 そうすればいちいち要らない事を気にしなくて済む。今はこっちの自分に本気だからって自信を持って言える。

 

帰って来てしまえば、つい見てしまう。見ない方が良いけど、自分を知りたい気持ちが勝って、やめられない。

 

 

って、自分がどっちとかあんの?そうやって色んな人間作って、それに勝手に疲れて、自業自得じゃん。

外は梅雨でどんよりしてる。明日もやらなきゃいけない事がある。そしてしばらくはそれが続いてく。雨でも、晴れでも。期待に応えたいから、やるしかない。

でも今、やる事が無いな。外は誰がコロナかわからない、外に出る気も起き無い、明日も仕事。今日はもう横になってしまおうかなぁ。

 

 

 

それをもう一人は黙って見ている。

思考に目を付けて、視界にまで持ってこれる瞬間を伺っている。そして、揺らいだ心を見逃さない。

 

 

 

なぁ。

 

 

自分の選択、しかも最善の。だから俺は惜しんだりしない。